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ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベイル。この2人のマジシャンは最終的に「人間瞬間移動」のマジックで争うことになるわけですけど、まずは先にクリスチャン・ベイル演じるボーデンが「人間瞬間移動」マジックを完成させます。ボーデンのネタの秘密が知りたいライバル、ヒュー・ジャックマン演じるアンジャーは、あの手この手でボーデンのネタを探ります。実在する科学者ニコラ・テスラが作るマシンを利用しているという情報を掴んだアンジャーは、ニコラ・テスラにボーデンと同じマシンを作るように頼みに行きます。

実はこれはボーデンが流した嘘情報で、ボーデンはニコラ・テスラのマシンなど使っていませんでした。騙されたはずのアンジャーでしたが、ニコラ・テスラが本当に瞬間移動できるマシンを完成させてしまったので、それを利用して逆にボーデンを罠にハメることにします。

ニコラ・テスラのマシンは、厳密に言うと瞬間移動するマシンではなく人や物をもうひとつ増やしてしまうマシンでした。増えた自分をそのままにするわけにはいかないので、自分が一人増えるたびに増えた自分を殺す必要がありました。マシンを使い自分が増えるタイミングで鍵付きの水槽の中に飛び込み、必ず増えた分だけ一人は死ぬようにしていたアンジャー。マジックのネタを無理矢理探りにきたボーデンを水槽内での自殺現場に呼び込みボーデンが殺したように見せかけます。これによってボーデンは死刑判決を受けます。

水槽内で一人のアンジャーは死にましたが、マシンで増えているのでもう一人のアンジャーは生きています。ボーデンを死刑にしたことで長年のライバル争いに終止符を打ったと思っていたアンジャーのもとに、死んだはずのボーデンが現れて逆にアンジャーを撃ち殺します。

これで映画終了なんですけど、最後に現れたのはボーデンではなく、ボーデンに瓜二つの双子ファロンでした。ファロンはずっと二人三脚でマジックをやってきたボーデンの相棒です。双子であることを見破られないようにずっと変装して生きてきました。

ボーデンの「人間瞬間移動」は替え玉を使ったトリックでした。双子の存在を隠すために奥さんも子供も騙す徹底ぶり。ボーデンが最初の方で「マジシャンたるもの、私生活まで犠牲しなければ本物とは言えない」的な台詞を言うんですけど、このセリフがすべてだったというわけです。

ファロンがもう一人のボーデンだと思って観ると、辻褄が合う台詞や演出が多いことに気付くと思うので、気になる人は二回鑑賞してみてください。

2人がいがみ合うきっかけとなったアンジャーの奥さんがボーデンの縄の結び方が原因で亡くなった事故ですが、縄の結び方はわざと解けないように結んだわけではなく、ボーデンとファロンが入れ替わっていたために、いつもの結び方と違う結び方をしてしまったと考えるのが物語の流れ的に自然な気がします。

ネット上の考察ではファロンは、ボーデンがニコラ・テスラのマシンを使ってできた複製コピー人間だという意見もあるようですが、物語内から得られる情報でその答えを導き出すことは難しいと思います。ファロン本人が双子だって言ってますしね。子供や奥さんへの対応や台詞を観ても双子で最初から2人でやってきたと考えた方が辻褄が合います。